大昔から有る、居酒屋って業態。
サラリーマンの拠り所ってことで、私もそれはそれはお世話になりました。
あまりに空気のような存在なんですが、久々に行くと、ちょっと違った見え方がしたというハナシでも書いてみますね。
日本も観光に、特に外国からのインバウンド客を対象に力いれるそうじゃないですか。
居酒屋ってのも他の国にはなかなか無い飲食店の形態なんだそうで、それ目当ての観光客も多いとのこと。
一口に居酒屋と言っても、店としての提供側にとっては、なかなか品数・コスト・接客あたりのレベルが相当高くないとできないでしょう。
日本では当たり前と思ってる料理・サービスのレベルが高いことが多いので、なかなか日本でしか本物は育たなかったんじゃないかと思います。
リーマン生活を終えた私は、用事がない限りいわゆる都会の居酒屋にフラッと寄るなんて生活とは無縁になりました。
当時は夕刻になると、真っ直ぐ帰る？なんて掛け声がかからないかソワソワする人種も職場に大量にいましたし、目が合って「軽く？」という掛け声を聞くと、そりゃもう居酒屋に捕まってから帰宅するなんて文化でした。
居酒屋にもホントにいろんなタイプもクラスも有ると思います。
タイプとしては大きく、チェーン店と個人経営のお店に分かれますが、予約無しでフラッと大人数で行っても入れるのはだいたい前者になります。
そして店内が広いということは、相当な騒音状態で店員さんてんてこ舞いなんてのがデフォルトになります。まさに戦場。
一方個人経営のオツなお店は当然チェーンより質が高かったり、店主とのコミュニケーションもダイジな目的の一つになったりしますね。
でも料金が高かったりするので、年がら年中行くわけにもいきません。
なので習慣化してしまってる居酒屋民族にとっては、安い所を巡回する感じになりがちなんですなぁ。
ということで、チェーン店の大型店舗に行く機会が多かったのです。
その当時はあまり気にもしなかったのですが、久々に東京駅近くのチェーン店に入って結構びっくりでした。
当たり前のようにスマホオーダーシステムになってました。うむ、今ではあ、た、り、ま、え。
でも考えてみればこの方式、むちゃくちゃ良いんじゃないかと思えて、私は飲み会の会話より、スマホオーダーシステムや店員さんたちの動きや運営などをキョロキョロみてしまう怪しい客になってしまいました。
なにせ「客の」持ち物スマホを使って、すべてのメニューがオーダーできるわけで。で、客の時間も献上してますな。
その昔には、店が導入した、動きが悪くUIもダメダメなタブレットでオーダーしてと言われたりして、結局紙のメニューから店員さんを呼んで対応してもらったなんてのがありましたが、評判わるかったですねー。
ところがハードウェアもだいぶ進化した今日日、客の自分のスマホを使えば、少なくともハードウェアは使い慣れてるし文句も言わない。
問題となる点はUI(操作プログラム)とメニューの中身、そしてでてくる飲食メニューの中身ですよね。
そこさえしっかり押さえておけば、店員さんはオーダー業務から開放されるわけです。
居酒屋の業態の特徴というか独特な点は、飲み物も食べ物も来店中に追加オーダーが入りまくるということ。
通常の食堂レストランではありえないくらいの点数で、頻度と品数がランダムに指定されるわけなので、そーーりゃオーダー業務はタイヘンです。
それに対応するには、トレーニングと経験を積んだいい店員さんを養成して、多数配置しておかないと、酒場のカオスを切り盛りする営業はできなかったのですね。
がっ！スマホオーダーシステムでは、配置人数を減らせることでしょう。
あれ？そうか、慢性的人材不足が増長してるという話も良く聞きますが、その対策ですねきっと。
デフォルトがスマホと言う名の機械、贅沢高級対応はアナログの人間という構図です！
お客様コールセンターなど、電話での通話で顧客対応するのがAIじゃなくて人間だったりすると、それは超贅沢な事になった時代なんだなと思います。
人で対応するのがコスト高で経営できなくなるくらいなら、デジタルに慣れない人たちのニーズを切ってまでもITで対応せざるを得ないような経営環境になってしまってるんじゃないの？
うむ、そのへんの想像がよぎって気になりすぎます。
そしてもう一つ可能性を感じたのは、多言語メニュー。
寿司チェーンの注文パネルは、だいぶ前から多言語対応になってましたが、当然スマホオーダーシステムもそれが普通に可能なわけでして。
和紙に毛筆で書かれたメニューじゃインバウンドの人たちにはわからんところ、スマホの言語モード切り替えで、いきなりハードルが下がるっての、店にも客にも相当なアドバンテージですよね。
それはそうと先日、隣に座ってた同期のオッサン、スマホオーダーの操作に慣れる事ができず（というか放棄し）、ツマミを持ってきてくれたタイミングで店員のお姉様に直接口頭でオーダー入れようと試みるも、「スマホでお願いします〜」のお返事が。
酔っ払ってそれ3回やってましたが、結果はもちろん同じ。
最後は無口になりかけて、渋々私に代理オーダーを頼むのでございました。
一抹の哀愁が漂ってました。
居酒屋チェーン店では、スマホリテラシーが普通に有る人については、安く美味しいものが早く出てきますよーという話でした。
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