地球温暖化はCO2(シイオウツウ)つまり二酸化炭素のせいだ〜なんて良く叫ばれてますが、温暖化ガスはそれだけじゃありません。
メタンや亜酸化窒素(一酸化二窒素=N2O)、それに昔の冷蔵庫やエアコンに入ってたフロン類なんてのも、明らかに温室効果ガスであることで知られてます。
ところが、実は人間社会・生活だけでなく、人体そのものにもCO2は相当に身近なんですよね。
生きていればみんな無意識にしている呼吸。
空気中の酸素を肺に取り込んで、赤血球さんに酸素を渡すことによって人間も他の多くの動物も生きながらえています。
で、酸素渡したら引き換えにCO2を吐き出すわけです。
動物ってすごいですね~、O2(酸素)入れたらC(炭素)がくっついて出てきちゃう。
低炭素社会とか言う面白い単語が世に知れ渡っている現代ですが、炭素化合物=つまり有機物食べて、それが体内で分解された末の炭素がO2にくっついて出ていくと理解してオッケーですね。で、植物は光を浴びてCO2からO2を作る、と。
あ、貴重な光合成する動物ミドリムシってのも居たわ。
人間生きてるだけで高炭素社会を作ってる〜、とは言いすぎですが、地球上の生物だけで炭素を回す「生物的循環」では、CO2は循環するので総量は増えないのだそうです。
増えちゃうのは石化燃料を燃やしたりする「生物地球化学的循環」ですね。
この記事の最後に据えたリンクを読めば納得できるかと思います。
たまに会話の中で、CO2は毒だ!くらいの理解をしている人もいてびっくり。
いやいや、コーラやビールの炭酸ガスでっせーと言っても、そんなアホなと取り合ってもらえないことも有ったりして。
そしてなにかと便利なドライアイス、これはCO2の固体、つまり炭酸ガスの固体です。
これ、ちょっと何言ってるかわからんと思いますが、ちょっと説明。
CO2は常温では気体=ガスですが、強い圧力をかけてボンベの中とかに入れると液体になる性質が有ります。
この液体CO2には、一気に常圧の空気中に放出するとなんと「固体」になる性質が有ります。
固体になったCO2を寄せ集めて固めるとドライアイスの塊となるわけですね。
この塊ドライアイスは、常温常圧のわれらの世界の空気中で、温度が上がっていっても液体にならず速攻気体になってしまいます。
このオモロイ性質は昇華と言って、凝固の逆です。この状態の行き来を相転移ともいいますが、身近なCO2にこんな性質があるのはラッキーだなと個人的には思います。
実はこの配信回は、かねりんNoteに感化されてのことでして、
https://note.com/kanerinx/n/nc2d665ee298c
では、生活・仕事スペースでのCO2濃度のことが取り上げられています。
はい、確かにCO2濃度が高いと頭がぼ〜っとしたり、ともすれば死に至るなどというケースもあるとのこと。
CO2センサーで、身の回りの環境を知るのもいいですよということです。
以前のコロナ騒ぎのときに、実は私も興味本位でセンサーを買って試してみたりしてまして、その時にわかったことをいくつか書いてみたいと思います。
まずは人間の呼気のO2/CO2濃度のハナシ。
http://blog.ac.eng.teu.ac.jp/blog/2017/02/post-9669.html
によれば、我々の呼気(要は身の回りから吸う空気)の成分の中で、約8割がN2=窒素だとして、酸素(O2)と二酸化炭素(CO2)の濃度はどれくらいかと言うと、
O2 CO2
吸う息 20.94% 0.03%
吐く息 16.44% 3.84%
だそうです。
メッチャ運動した後とかは、吐く息のCO2濃度は9%ほどにもなるらしい。逆に平静時は1%とか。平均とって3.84%ってことですかね?出自が知りたいっす。
でもって人が居るところの空気の、二酸化炭素濃度による人体への影響ですが、
360ppm: 影響なし(新鮮な空気)
1,000ppm: 気分が悪くなる人もいる(屋内の基準濃度)
3,000ppm: 呼吸数増加、眠気、集中力低下
4,000ppm: 頭痛、めまい、倦怠感
6,000ppm: 過呼吸も加わる
8,000ppm: 意識レベル低下、震えや痙攣
50,000ppm: 呼吸困難
100,000ppm: 意識消失、嘔吐
ううむ、%とppmがごっちゃになってわかりにくいですねー。
変換式は1%=10,000ppmですから、
人間の吐く息には3.84%=38,400ppmのCO2含有!
放り込まれたら死ぬほどの部屋のCO2濃度は10%=100,000ppmってことになります。
ざっくり、CO2が1割含まれてる空気の中で呼吸してるとアウトということですね。
これ、二酸化炭素中毒というそうで、このページの解説がわかりやすいです。
https://3rrr-btob.jp/archives/column/measuring-equipment/21179
とまぁ、ここまでのハナシを読んでくれた人は、もしかしたらいろいろ心配になったかもしれません。
でもですねぇ、CO2=二酸化炭素ってのは毒とか敵じゃないんですよ。
これを毒と言ってしまったら水もそうですよ、飲みすぎると命落としますんで。
CO2を悪者にするのは簡単で、例えばコロナ騒動のときに、飲食店ではCO2センサーの導入合戦になりました。
どこもかしこもCO2センサーを置いて、うちの店は600とか1000ppm止まりだから大丈夫とか言ってました。
いやぁーー、サイエンスしてねーなーと思ってたんですよ。毒ガスじゃないんだから。
それに、やってみるとわかりますが、ガスの火を使うところとか、クルマの排気ガスとかにセンサーかざすと、デタラメに高い数値になりますよ、すぐ。
中華料理屋でガス使わんところ、まず無いですよね?無理じゃんって話です。
なので、センサーを置く場所ってのが問題で、なんか入口に近い換気良さそうなところに置いてあるケースが多かったですね。まぁチートですね。
余談ではありますが、CO2とは似て非なる一酸化炭素=COは、言ってみれば毒ガスです。
CO濃度(ppm) 影響
0〜200 2〜3時間で軽度の頭痛
200〜400 1〜2時間で頭痛と吐き気、さらに2.5〜3.5時間で後頭部の頭痛
400〜800 45分で頭痛、目まい、吐き気、けいれん、2時間で意識喪失
800〜1,600 20分で頭痛、目まい、吐き気、2時間で死亡
1,600〜3,200 5〜10分で頭痛、目まい、30分で死亡
3,200〜6,400 1〜2分で頭痛、目まい、15〜30分で死亡
6,400〜12,800 1〜3分で死亡
いやーー、1,600ppm=0.16%からでもCOはアウトなんですねー。
無味無臭で空気と同じくらいの比重なのがヤバくて気が付かないし、赤血球さんたちにCO分子が強固にくっついてしまい、一気に滅亡させてしまうから毒ガス。
低濃度でも吸うと相当にヤバいので、だからガスの不完全燃焼起こさないように、ちゃんと換気しましょうという話になるのですね。
二酸化炭素は一酸化炭素に比べ、濃度のオーダー(桁数)が違ってごく少量でもヤバいということを認識しとくといいですね。
ともあれ、厚労省の基準では、建物内のCO2は1,000ppm以下に管理しなさいよとのこと。
以前国際フォーラムでイベントやってて、お客さん同時に入場しすぎてCO2濃度が基準値越えたので、入場制限させられたことも有りました。
そんなことから、私の自宅にもセンサーを買ってみたのです。
というのも、冬季の暖房に当家ではガスファンヒーターを焚きまくってるので。
これ一番一般的な、ガスの排気を直接部屋に放出するタイプで、天然ガス由来の炭素を燃やして、熱と水とCO2にします。
加湿器が要らないか小型でOKという利点有りで、ニオイも無いので気に入ってますが、COやCO2濃度が気になる、と。
結果から言うと「ウチ」は強制換気が要らないですね。不思議と。
理由は簡単、防寒性能も気密性も相当に低く、スカスカだからでしょう。
センサーの誤差も有るとは思いますが、3台ほどの挙動を見てると、まぁCOは3ppm、CO2は1,000ppmは越えませんねぇ。
でも高気密住宅など、最近のいい感じのおウチでは、このタイプのガスファンヒーターや石油ストーブ等を焚く場合、絶対に換気が必要です。
さもないとCO2の前に一酸化炭素中毒の危険が待ってるので。
もう一つ余計な大気ネタですが、日本ではPM2.5で有名な微粒子、黄砂のときなどは街中ひどい状況にもなりますが、韓国では미세 먼지(ミセ モンジ 微細粉塵)と言って毎日のように天気予報でアナウンスしてます。
もちろん換気をすれば、部屋から出した空気と同量の外気+PM2.5が部屋の中に入ってくるってことですので、結構影響出るのでは?
それとか外で花粉が大量に飛んでたら、換気の代償として花粉を取り込むなんてこともアリなわけで、気になる方も多いのでは?
それとか化学物質、特に溶剤系とかが人の居住・活動空間に充満してしまうと、すぐ体調に影響出ます。
というわけで、ともかく「換気」が重要になるわけでして、いわゆる「きれいな外気」と「ヤバい室内気」を交換することが換気ですね。
はい、キレイな外気のCO2濃度は約400ppmですが、その他は大丈夫ですかね?
換気すると、外気温によっては暑い・寒いということになりますが、熱交換換気というものがあります。
ちょっと宣伝色濃いようですが、このページ見たら目からウロコですね。
https://www.ccfstyle.com/onnetsu-column/507.php
いやはや、ロスナイ換気しか知らなかったけど、プロの世界ってすごいですね、いろいろ有ります。
で、何言いたいかと言うと、、、
個人的にはセンサーおたくのススメ、であり、CO2は敵じゃないっしょ?ってもありますが、
普段生活しているところの空気、ちょっと気にしてみませんか?ってハナシでした。
最後に、温暖化系の話で最近感動した記事はこちら↓
「温暖化が心配です。吐く息を止めなくても大丈夫ですか。」
https://www.cger.nies.go.jp/ja/library/qa/26/26-1/qa_26-1-j.html
我々の食ってるもの、体などの全ては大気中のCO2が起源なんだ~!とわかりますヨ。
ここまでリンクも含め全部読んでくれた方には、素敵な粗品を進呈します。
ドライアイスとかでいいですか?
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追伸:
でもって、Gさんとかパチモンとか難癖(お見通しw)つけてくる某迷惑メールおぢさんからのリクエストにより、上記サムネ製品のリンク貼っときますわ。
ホームガスアナライザ
https://ja.aliexpress.com/item/1005001652175860.html
まぁ確かにモノは動作します。っが!何万円もするちゃんとしたセンサーを持ってないので、誤差とか挙動とかが正しいかを知る由もないので、使えてなくはない、とコメントしておきますわ。一応気に入ってるのはUSB Type-C対応というところ(そこかよ)
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今回のstand.fmの配信回はこちら
https://stand.fm/episodes/66003a873acf6ff598209782
ぱるおの「思い立ったらオタメシ」ライフ
https://stand.fm/channels/62c0f5551459d9dde06c0f41
ほほう。