その運転、EDRでバレバレ😨
たまに聴くヤング日経のVoicyチャネル
昨日の配信はなんともはや聞き入ってしまった話題一つ。
フツーのひとなら気にならない話題なんじゃないかと思いますが、EDRのハナシです。リンク→https://voicy.jp/channel/874/764197
EDRとはなんぞや?ですが、Event Data Recorderだそうで、例えてみれば乗用車版のフライトレコーダーって感じなんです。
車速やG(加速度)・シートベルト着用などなどのデータが、車自体に記録されるって仕組みです。「など」の部分は一般人には謎ですが。
日本ではなんと今から三年も前の2021.9.30に、国交省から義務化のお達しが出てたんですねー。
道路運送車両の保安基準等及び保安基準の細目を定める告示等の一部改正について
https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha10_hh_000256.html
一体なんでこんなものが必要なのかってのは、普通に車を使ってる人にはわかりにくいと思いますが、人間の記憶や勘ではなく、事実の記録を元にいろんな問題(例えば故障診断や、ひいては交通裁判とか)に活かそうということなんですね。
ん?ドライビングレコーダー、日本風に略してドラレコってのはもうすっかり市民権を得てるけど、さらにEDRって何じゃ?ってことですわね。
ドラレコが便利なのは、映像と音がメモリーに残ってる(かもな)ので、交通事故などが起きてしまった場合、主に被害者のミスでないときの記録として活用し易いわけです。わかりやすいし。
逆に加害者とかどっちかわからんことになったときには、記録されてたデータが不利に働いてしまったりするので、データの出し渋りや隠匿とかも有り得る。
このドラレコのようにまだ特に義務化されてない機器の場合、残念ながら人間の行動心理的に活用されないケースも有って、はなはだサイエンスしてない、と。
それにドラレコではその仕組み上、記録されないデータも多々有り、アクセル開度をはじめ、他の気が遠くなりそうな車の諸々の状態は記録されません。
でもEDR記録データが有れば、ブレーキちゃんと踏んだのにクルマの異常のせいで加速しちゃったじゃないか!という言い訳など通じなくなるということ。
老齢化社会、データサイエンスで片付けられる問題も多いのかと想像しちゃいますね。
ともあれ、あおり運転だけでなく、公道では急がつく無茶な運転は普段からしないようにするのが、なにかと無難かもです。
このEDRの前に、保険会社のドラレコ割引って聞いたことないですか?
会社指定のドラレコを取り付けたクルマの料金を割引くとか付加サービスつけますとか言うやつです。
これってのは、安全運転する人とそうでない人の点数付けができるような仕掛けが組み込まれてるんです。
クルマを運転するということは物理的に移動するということですから、かならずG=加速度というものがつきまといます。
動いたり止まったりしている限り、Gをずっと0に保つということは不可能です。
普通の運転では0.3Gを超えるとちょっと荒っぽい運転だと感じるって言うのが目安かと思います。
ここでGと言ってるのは「地球上での重力加速度」のことで、なんと地球上のすべての人は、床に立ってるだけでこの1Gという加速度が真下からかかっているのですね。つまり上下のGは1。
そして 車が動くと、前後と左右それぞれにGがかかることになります。
前後のGは加速(アクセル)と減速(ブレーキ)、 左右のGは転回=ターン=曲がることにより生じます。
急加速急ハンドルなど、急がつくような運転をすればするほどこのGの値が大きくなるので、 荒っぽい運転をしてるかどうかが数値化できるわけです。
保険屋がつけてるようなものってのには、さらに通信機能が付いていることもあり、やばい運転した時とか事故った時には、通信でその時のデータだけではなく動画のデータまでセンターに自動的に送られるなんて仕組みだったりします。
要は保険会社としてはこのデータを広く集めて、あまりにもひどい運転をする人をマークするとか、次回契約させないとかの対策を講じることができるというわけ。
思わぬところでニッチな個人情報が抜かれているということがわかりますね。
テレマティクスなどと呼ばれていますが、ドラレコで取れるようなデータを記録して通信でセンターに集計するシステムがあります。
主に企業向けの運転管理システムとして開発されていますが、これをつけた車複数台のデータを眺めると、運転がおとなしい人(Gが小さい)と、むちゃくちゃな人(Gが大きい)の差っていうのは一目瞭然になります。
数値を見ながら上手下手っていうのは言うのは簡単なんですが、要は公道を走る車の場合、 事故を起こさないとか交通の妨げにならないことが大事なわけです。
なのでこのGの値が大きいからと言って、必ずしもダメなドライバーと言うわけではないことにも注意ではあります。
でもまぁ事故の実績、特に事故を複数回起こしたドライバーは、多面的にデータを見れば、傾向や理由がだいたいわかっちゃいます。
その昔、ドラレコやテレマティクスが無かった時代には全く解析できなかったことですよね。
最近ではこれにアルコール検知器などを組み合わせた安全運転管理システムも開発されてますので、安全運行に一定の寄与をしてることでしょう。
関係ないけど今乗ってる私のクルマ、別に買うときにオプションを頼んだわけでもないのに、毎日燃費データがwebから見れるようになってるんです。
走行距離と燃料消費量をセンターに無線通信で送ってるんだとわかりますが、これも別にディーラーの営業さんから詳細説明を受けたわけではありません。あれ?私が忘れてるだけ?
おそらくこれらだけじゃないいろんな詳細データ(例えば位置情報とか、Gの情報とか、もしかしたら全部?)が、センターに吸い上げられているとか?
クルマからリアルに得られるデータは、企業にとってはビッグデータとしてむちゃくちゃ有用なデータでしょうから、うまいこと使って欲しいと共に、プライバシーはどうせバレバレなんだろうなーとか思います。
てなわけで、技術が進歩した時代、要らんことをするとバレますんで品行方正にいきましょうw
EDRに話戻りますが、ドラレコと違って映像や音声の記録は無い(と思われる)ものの、車体の「状態」情報を事細かに記録していくわけで、いろんな言い訳はできません。
記録システム自体のエラー!なんてことも起こり得るでしょうけど、いやはや実際の走行時の物理状態から得られる生データってのは、そうそうチートできないレベルの大量なものになってるでしょうね。
知る人ぞ知る、ってレベルではなくなりましたが、クルマにはだいたいOBD2という端子が付いています。リンク読んでみてください(オタク向け)
クルマってのはまるまるスゴイコンピュータなのだとわかります。
この端子からは、ホントに色んな情報がリアルタイムで取り出せるように作られています。日本で売られてる車の場合、だいたいCAN規格に準拠してとのこと。
これを便利に使って、例えば私の車の場合には車速とか回転数などをまとめて表示できるディスプレイとして使っています。
ちょっと昔の、こんなやつですね。
ハイブリッド車に水温計やタコメータ要るのかよ?と言われればそれまでですが、標高や電圧が表示できるのはありがたいっす。
なんか知らんうちに義務化されてたEDR。
この手の詳細データがつらつらと記録されてることに気がつくものの、結局安全運転するくらいしか無いかなと思えた日でした。
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今回のstand.fmの配信はこちら
https://stand.fm/episodes/660eacc112f3a8bcba00b5b3
ぱるおの「思い立ったらオタメシ」ライフ
https://stand.fm/channels/62c0f5551459d9dde06c0f41
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P.S.
EDRってのはなにも今始まったわけでなく、20年も前からみんなのクルマに搭載されてるんですねー。
CDRってのと組み合わせて使うんですが、秀逸な記事にたどり着いたのでメモです↓
「EDR/CDR」を知る!ドライブレコーダーでは見えない車両状況を記録する
https://driver-web.jp/articles/detail/20486