「さいしこみ」醤油だぜ!
昨日は醤油の買い出し。
クルマで1時間ほどのところにある、醤油の売店兼工場に行ってまいりました。
株式会社岡直三郎商店(日本一しょうゆ・群馬県みどり市)
https://maps.app.goo.gl/YXngEZaVbrjyGkxt6
https://www.nihonichi-shoyu.co.jp/
そんなにヘビーに使うわけでもないんですが、ウチで使う醤油はほとんど再仕込みしょうゆとなってしまいました。
簡単に言うと、通常の濃口醤油に比べ、旨味が倍で塩分そのままって感じ。
醤油の製造工程で塩水を加えるところ、その代わりに醤油を加えるってわけです。
倍の手間ですな。旨いわけです。
つけ醤油として使う分には気にならないんですが、普通の濃口しょうゆに慣れている人は、かけたり料理にしたりすると、びっくりするくらい色が濃くなってしまい、濃い味(≒塩辛い)になってしまうように見えてしまいます。
でも塩分は普通の濃口醤油と同じくらいなので、まぁ大丈夫!ってことで。
いつぞや色の薄い醤油が旨いみたいなCMがありましたが、どちらかというと、黒に近いほうが旨いと私は感じてしまうんですね。
色が薄いタイプは小麦の使用量が多く、香り重視と理解しています。味より香りというと、いや香りも味のうちでしょ?といわれてしまいますが、人の好みの問題なので答えは無く、ジャッジは難しい分野ですね。
このみどり市(大間々)の工場はなんと天明七年(1787年)創業。伝統ありますなぁ〜。足掛け四世紀!
代々受け継がれた仕込み桶は、大きいもので8尺桶と呼ばれるそうで、そのまま換算すると直径2.5m弱もある木製の桶です。
既にこの大型桶を扱える職人さんが居なくなったため、修理しながら操業しているんだそうですが、この見学させてもらった丸大豆しょうゆ製造工場の桶は、比較的「新しく」、大正時代につくられた約100年モノなんだそうです。
なにやらロマンを感じずにいられません。
ステンレスの桶とかにしないんスカ?って訊きましたが、こちらの方針としては、大量促成生産ではないということで、完全ニッチ、手間隙かかってます。
1年半ほどの歳月をかけてゆっくり発酵・熟成させていく本醸造しょうゆだとのことです。
こちらの売店で再仕込みしょうゆをいつも買うわけですが、今回は初めて目にした「香り醤油」という商品を買ってみました。
これは再仕込み醤油ではなく一般的な濃口醤油だと思いますが、火入れをしていない生醤油(きじょうゆ)で、国産有機丸大豆と群馬産小麦を使っているとのこと。
名称には濃口醤油ではなく「生揚げ」(きあげ)と書いてありますね。
熟成したもろみを搾ったそのままの醤油なので、乳酸菌や酵母などの微生物が生きたままの状態。
生酒と同じく発酵してしまうので冷蔵必須で、通常のスーパーには並びませんね。
ちなみに生醤油とかいて二通りの読み方が有り、生揚げ(きあげ)と合わせて3種類は別物。超絶ややこしいです。
https://choumiryou-oem.asanumashoyu.co.jp/column/item-383/
さらに要らんことをかけば、生揚げ(きあげ)と生揚げ(なまあげ)は別の食品、と。
生揚げ焼いて、生揚げをかけるってわけですなー。
そしてもう一つこの工場・売店を訪問する目的としては醤油ソフトクリーム。
なんででしょうかね、ソフトクリームに醤油が合うんですよねー。
これだけのために来店する人も多いんじゃないでしょうかね。
レトロな造りの小上がりでソフトクリームをいただくってのもオツなもんです。
というわけで以下、昨年2023/03/06配信のスタエフ
https://stand.fm/episodes/6403edd347698b37ade47098
の説明欄抜粋を貼っておきます↓
-----
醤油、しょうゆ、正油(当て字)、soy sauce、ソイソース
これが無いと生きていけません。醤油アミノ酸欠乏症になりまーす。
日本語でこれ読んでくれてる人には、味の説明は要らないと思いますが、まぁしばらくお付き合いください。
醤油はれっきとしたバイオ調味料ですね。
その起源は思いっきり古く、もしかしたら12,3世紀には日本に存在してたんじゃないかとも言われてます。
今となってはその製法も科学的に細部にまで解明されていますが、穀物を菌とかカビを使って分解させたものを食すというのは、とっても不思議な割に、健康の基礎のような気がします。
どうして急に醤油にこだわるようになったのかというと、再仕込み醤油に出会ったからなんです。
これは特殊な醤油ではなく、JAS(日本農林規格)で定めるしょうゆの「種類」による分類の一つです。
日本では醤油の種類として5種類が定められていて、色の薄い方から
白醤油、薄口醤油、濃口醤油、再仕込み醤油、たまり醤油
です。この4番目の再仕込み醤油を、いままで使っていたこいくちしょうゆの代わりに使うともう戻れなくなりました。
使うと言っても料理に使う、つけたりかけたりして使う場合が有りますが、結構びっくりするくらい濃い色が付くので料理に使う場合には結構弁解が必要かもしれません。でも味はバッチリです!
どうして再仕込み醤油が美味しいのかは、その製法に理由があります。
普通の醤油と言われているこいくちしょうゆを作るときには、原料を麹菌(こうじきん)で発酵させて醤油麹をつくり、食塩水で溶かして次工程に進みます。
ところが再仕込み醤油は、醤油麹を食塩水の代わりに醤油、つまり既にうまみが入っている食塩水で溶かして作ります。
旨さ倍増!ですね。その分お値段が少々高い!でもジャージャー使わなくなるので健康的かもです。
そしてもう一つ、醤油の原料は大豆と皆さん習ったと思いますが、実は同じくらいの小麦が原料です。
ソイソースではなくてソイ・ウィートソースなんですね、実際は。
さらに薄口醤油には米も原料に加わったり、料亭などで使われる非常に繊細な白醤油に至っては、原料の大半が小麦です。
軟水寄りの西日本で発展したダシ文化には、薄口醤油、白醤油がフィーチャーされた料理も多いと感じます。
関西出身の両親が関東に初めて引っ越して来たときには、立ち食いうどんで出てきた普通のうどんが、色の濃い醤油漬けに見えて一瞬たじろいだらしいです。
関東や東北では、色の濃い醤油の風味をベースとした味付けがメジャーになっていると思います。
面白いのは、どうやらこの再仕込しょうゆの起源は山口県らしいのです。めっちゃ西日本ですけどね。
そして寿司や刺し身でよく使われるたまり醤油と、熊本鹿児島あたりで人気の甘い醤油とは別物だと思って良いでしょう。
ダシや調味料が入った醤油もおいしいので買いますが、古くからのたまり醤油、再仕込み醤油あたりの色の濃い醤油も、ぜひ味見していただければ、皆さんの食文化の裾野も広がると思います。
醤油の基本について、キッコーマンの解説がわかりやすいですね!
https://www.kikkoman.co.jp/soyworld/subete/various.html
-------
今回のstand.fmの配信はこちら
https://stand.fm/episodes/6631183b3f09b0aedccba6fd
ぱるおの「思い立ったらオタメシ」ライフhttps://stand.fm/channels/62c0f5551459d9dde06c0f41