寂れた温泉地にスポット光
いろんなタイミングでいろんな場所に泊まりに行きますが、日本国内でやっぱり視野に入ってくるのは温泉地。
温泉が備わってるだけで、宿の魅力も上がるってもんです。
ただ最近目立つのは、伝統的な温泉地がどんどん廃れてしまってることです。
観光業が大打撃を被った最近の出来事と言えば、やっぱりコロナ騒動でしょうね。
政府もいろんな手を打ったようですが、私がよく行く地方や街の温泉街の宿を見るだけでも、かなり多くの倒産や経営譲渡による屋号替えなどが目立ちます。
昔のような団体温泉旅行とか、大宴会のような文化が廃れてきたこと、そしてそもそも地方の人口がどんどん減ってきているために経済が停滞してるんだからでしょうかね。
ひなびた温泉は味があるものでよく通ったもんですが、そういう所に限って次回ふらっと寄ってみると営業終了により閉鎖なんてところが多くなりました。
そんなところでは決まって街を歩くと空き家だらけ。
見た目20〜30年放置してるんじゃない?と思えるようなところもたまにあります。
各地方自治体は条例変えて空き家対策に力入れたりしてますが、どうしてもお金の流れていない所に人は集まらないので、過疎は進む一方なんだそうで。
そんな中、数年前に訪問したものの、その時は集落全体が寂れてしまってて過去の街の栄光がふっ飛んでしまった温泉地に再度行くことになりました。(あえて地名は言わんときますわ)
宿を探しているときに、検索条件に引っかかってきて、訪問して地名は知っていたので泊まるだけだから良いかと思って訪問してみたわけです。
そう、昭和の時代に繁栄していたその地は江戸時代から続く温泉地で、泉質は優秀。
メイン通りには大型旅館が10軒ほどは有るところなのです。
でもパッと見で、6軒ほどは閉業してました。
やっぱりな~とか思いつつ、駐車場に車を停め、多くの期待もせずフロントに。
なんか若いバイト風のニーチャンが対応してくれたんですが、どうも様子がおかしい。
あれ?めっちゃ優秀なんじゃね?もしかして経営者?
そんな印象の彼からは、部屋のアップグレードを打診され、もちろん承諾。
部屋に付いて中を見渡しで絶句でしたね。ゴージャス過ぎ!
超ラッキーとか言いつつ、部屋じゅう見て回っちゃいました。ガキです。
見てみると、最新式でデザイン性と機能性が高い調度品、トイレも最新式。
PCでワークするための専用コーナーも、部屋に作り付けになってると。
いやはや、負けましたね。さびれてないですねー、最新のグローバル仕様ですね~。
でもなんでこんなことになってるんかいな?と疑問も湧き、フロントにーちゃんと少々話してわかりました。
ハードウェアとして建てられた大型旅館本体を抱えての経営立て直しに、インバウンド客に合わせたコンセプトを多く取り入れていることがわかりました。
円安も追い風で、ネットにちゃんとデータ載せておけば、日本人が泊まれないような高額料金でも引き合いは多いそうで。
そのためには当然、それに見合うだけのグローバルレベルのホテル水準が必要ということになりますね。
さらに興味深かったのは、廊下からは同じ部屋がずらーっと並んでるようにしか見えないのに、部屋の内装は多種類なんだそうで。
私が本来予約したのは二段ベッドの狭めの部屋で結構な安価でしたが、見た目とってもおしゃれなインバウンドのバックパッカーが好きそうなデザインだったりします。
温泉旅館ですから当然大浴場は名湯と言えるレベルです。
私個人的には、泉質がOKなら、汚かろうが暗かろうが関係ないんですが、暖色の明るめ照明で、これもまたセンス良し。
ただ、日本の大浴場入浴文化ってのがインバウンド客に受け入れられるかどうかは、よくわかりませんね。
経験上では、一緒に行動しているのに大浴場は入らないっていう外国人ばっかりでしたんで。
温泉としてはspaという文化が国外には有りますが、これはほとんど水着着用の混浴ですね。
こちらのほうが日本人としては抵抗ありだったりします。
フロントから部屋に行く通路の途中に、コワーキングスペースや、その宿のコンセプトグッズが大量に展示されてました。どこかのお店の展示スペースか?くらいの質と量です。
ゲーマー向けの設備も少々稼働していて、なんなんじゃこれ?って空間でしたね。
いやはや、観光業も生き残りかけて新風が吹いてるんだなぁと感じた一幕。
何もしないで立ち止まっていると退化、というのが目で見える形で展開している一幕でもあります。
客として利用するだけでなんかすんませんねと思ってしまったりしてチェックアウトするのでした。
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